読書⑤1人1人の生産性向上について考える~新・所得倍増論~
今回はデービッドアトキンソン著
「新・所得倍増論」を読書しました。
Facebookにて紹介されており、興味があったので買ってみました。
経営者の方が読んでいたそうなのですが、確かに内容もGDPに関するもので読みづらい部分も多少あったかもしれません。
しかし、データに基づいて今の日本の経済の問題点を列挙してくれています、また、日本人の「データを参考にしない風潮」「問題点を直視したがらない現状維持の風潮」に警鈴を鳴らしていて、日ごろの生活でも参考にしたい考えでした。
そもそもGDP(国内総生産)とは?
この本ではGDPに関する議論が多いのですが、GDPの意味がまずわかりませんよね。
国内総生産といい、その国内で取引された金額の総額を表しています。人口の要素は考えず、総額のみで順序付けをされます。自分もなんとなく理解した程度なので、今回はこの程度の説明にとどめたいと思います。
バブル期において日本はなぜ高度成長できたのか?その後の問題点は?
茶者が示したデータによると、簡単にいうと、ベビーブームの世代が成長したことにより「人口」が増えたためにGDPが世界第2位まで上昇したとのことです。で、現在はインドや中国がその恩恵に授かっており、GDPランキングで日本を追い抜いています。
でも、日本は今後少子化が進んでいきます。バブル期の感覚では日本のGDPは下がる一方なのです。データ上でも日本は1人あたりの稼ぎ出す生産性(1人あたりGDP)が先進国でもかなり下位(27位)にあたります。
つまり、日本の労働者個々人が稼ぎ出す量が少なく、それを今後は増やしていかなくてはGDPは下がり、世界経済の中で2軍扱いされてしまいます。
一人あたりGDPはどのように高めていけばよいのか
ちなみに1人あたりGDPのランキング1位はカタールでした。なぜカタールなのか気になりますが。
日本に話を戻すと、今後1人あたりGDPを伸ばしていくためには
①生産性の低い業界である、農業・サービス業を筆頭に効率的な生産システムを構築する必要がある
②①のためにはIT化を進め、収益を上げていく必要がある
③女性が30代を超えると急激な収入低下になる。その低下を極力抑えるべきである。
という主張がされていました。
アメリカなどの海外では1995年以降のGDP向上にIT化が貢献したといわれているようですが、日本ではいまだにその効果が見られていないようです。
業務を効率化するためには新しいシステムを作る必要があるのですが、日本人の「現状維持を好む」性質が邪魔をすることが多いみたいです。問題点を指摘されることを非常に嫌がる風潮があるのは自分も含めてそう感じます。
また、女性は子育てを挟むと急に仕事量が減る傾向にあるため、そちらに対するケアも必要です。これは著者によると経営者や政府が女性にも時間あたりに高い価値のある仕事を任せていない現状が問題とされています。経営者サイドが女性を起用しなくてはならないような政策を政府が作る。これが重要なようです。
硬い内容で疲れたのでこのあたりで終了します。